おぼへ書き

RPGとアドベンチャーゲームとTCGと卓球と白雪千夜が好き。

2022年にプレイしたゲームの紹介・感想

Aランク<心に残り続けるであろう傑作>

1位.ELDEN RING(Steam / 2022年発売)

www.eldenring.jp

ゲーム紹介

狭間の地と呼ばれる場所が舞台。この地はかつて中央に聳え立つ黄金樹の恵みにより祝福に満ち溢れていた。そしてその祝福を失った者は褪せ人と呼ばれ、狭間の地を追放されていた。

ある時、黄金樹の力の源であるエルデンリングは何者かによって砕かれてしまう。これにより狭間の地を治めるルールである黄金律は失われてしまい、更にはエルデンリングの欠片である大ルーンを手にした者達による戦争が起き、狭間の地は崩壊していく。

それから時は経ち、廃墟と化した狭間の地に主人公である褪せ人は戻ってくる。大ルーンを集め、エルデンリングを修復し、新たなエルデの王となれという何者かの啓示を受けて。

システム面はダークソウルシリーズの正統進化と言えるが、最も大きな違いは数十あるダンジョンと広大なフィールドがシームレスにつながるオープンフィールドが採用されていることであろう*1。シームレスではあったがあくまでダンジョンの連続でしかなかったダークソウルシリーズと比較して移動の自由度や全体のボリュームは大幅に上がっている。

この他ジャンプやしゃがみといった動作が追加されていたり、広大なフィールドでは馬に乗ることで騎乗戦闘ができたりとアクション面でも進化している。

 

感想

・受け継がれるソウルライクの面白さ

本作はソウルシリーズから多くのシステムを受け継いでいる。そしてその面白さも。

道中は死ねば通貨兼経験値であるルーンが失われてしまうという緊張感の中、殺意満点のギミックや死角に潜む大量の雑魚敵の陰に怯えながら進み、ショートカットを開通して安堵し、ボスの前で一息ついたと思いきやその圧倒的な力に心を折られかける。久しぶりの体験だった。

その難易度の為、死んだときには「二度とやらんわこんなクソゲー」と思うものの、ダメージはちゃんと通るし、敵に隙は必ずあるし、自分が相手の攻撃に対してミスさえしなければ勝てるという事は理解できる。その為ついつい何度も挑戦してしまい、少しずつ敵の攻撃パターンを覚えながら上達していき、そして倒した時はそれまで死んだ回数が多ければ多いほど強い喜びと解放感が得られてしまう。その瞬間このゲームの評価は"クソゲー"から"神ゲー"へと反転し、そして次のステージへと足を踏み入れてしまうのだ。

ダンジョンやボスは1つ1つ攻略方法が全く異なるので毎回覚えなおす必要があり、失敗→上達→クリアというサイクルでプレイヤーが成長するという楽しみを1度のプレイの中で何度も何度も味わえる。古典的ではあるが、この1サイクルの質の高さこそがこのゲームの中毒性を生んでおり、数あるコンテンツの中でもソウルライクというジャンルでないと味わえない魅力を感じる。

・オープンフィールドの採用により生まれた、探索する楽しみ

本作はリニア型のストーリー進行を採用している。プレイヤーは最終目的地である黄金樹をゲーム開始時から目にすることができるが、その時点ではどう頑張っても黄金樹にたどり着くことはできない。黄金樹までの道のりは幾つもの障害によって阻まれており、特定のアイテムを入手したりボスを倒すことで道が開けていく。道中各所で発生するパートナーであるメリナや他NPC達との会話イベントで主人公がこれから辿るべき道がそれとなく示されていき、プレイヤーが決められた道を辿ることができるようにデザインされている。

しかしながら、最短距離で攻略しようとするとプレイヤーは広大なフィールドのうち精々2~3割程度の場所しか行く必要がなく、プレイヤーはいつでもこのレールから外れて寄り道をすることができる。例えば強力なボスが現れそれに勝てないと感じた時、プレイヤーは必ずしも何十回と同じボスに挑み続けて死に覚えでテクニックを上達させたりする必要はない。気分転換に広大なフィールドを歩いてみれば宝箱やNPC、ダンジョンの入り口が見つかる。そこには武器防具や技、魔術の他にも戦闘中に仲間を呼び出せる"遺灰"など幾多のアイテムが存在し、それを攻略の助けとすることができる。時にはそれを守護するボスも存在するが、それらは殆どがメインストーリー上のボスよりも弱く、そういったボスを倒すことでプレイヤーに成功体験を積み重させ、メインストーリーを進めるモチベーションを保てるように工夫もされている。この探索要素はメインストーリーのようなヒントはほぼ無くむしろ不親切すぎではと思うくらいなのだが、自力で探さなければならない分見つけた時の喜びや達成感はとても大きい。

今までのソウルシリーズは作り込まれた複雑なダンジョンの攻略と強力なボスとの戦いをひたすら繰り返すというストイックな内容でかなり人を選ぶゲームだった。本作で採用されたオープンフィールド要素は、そういうストイックさを好まない多くのプレイヤーがこのゲームを受け入れるきっかけとなった最も大きな理由だと思う。

・ダンジョン、ボスの使いまわし

数十あるダンジョンと数十居るボスキャラクターだが、後半になるにつれて既視感のあるものが増えてくる。

ダンジョンに関しては流石にそのまんま同じものは出てこないが、"○○洞窟" "○○地下墓"といったダンジョンはそれぞれどれも見た目や雰囲気や登場する敵が似ており、2個目以降は目新しさが無く残念だった。

ボスについては全く同じ名前のボスが多いもので6か所くらいで登場する。それぞれHPや攻撃力が違ったりするが攻略方法は同じなので倒す快感もあまりなく、一度倒した種類のボスが出てくるたび正直がっかりした。

 

総評

もっとも万人受けしそうなソウルライク作品。

これまでのシリーズのようにストイックに攻略するもよし、フィールドを探索することで強力なアイテムや技を手に入れてキャラクターを成長させ、ボス攻略を楽にするという一般のRPG的な楽しみ方をするのもよし。

もっとも、プレイスタイルの幅は広がったがプレイヤーへの親切度の低さという点は変わっていない。HUDは最低限でイベントの進行状況はわからないし、ダンジョンや宝箱は自力で探さなければならず、ボスの攻略法を教えてくれる人物なども存在しない。しかしその分プレイしていてゲームに主導されているという感じが全くせず、自力での達成感というのをこれだけ味わえるゲームは今となっては貴重かもしれない。

 

余談:ぼへまるが最も倒すのに苦しんだボスベスト3

1位.火の巨人(無理すぎてビルドから変えた唯一のボス)

2位.ミケラの刃、マレニア

3位.宿将ニアール

 

Bランク<プレイしてよかった良作>

2位.ChronoBox -クロノボックス-(Windows(R18) / 2017年発売)

product.hobibox.net

ゲーム紹介

ミステリ・ホラー要素の強いADV。

小さな孤島にある学園が舞台。いつもの日常の中、主人公はクラスメイトの少女が無くした黒い箱探しを手伝ったことをきっかけにその少女と結ばれ恋人となる。幸せな日々を過ごす中で、ある時死神のような雰囲気を纏う謎の少女"屍(かばね)"と出会う。その少女の言動に不安と恐怖を覚える主人公の目の前に、突然あの黒い箱が現れる。嫌な予感がする中、箱を開けて中にあるモノを見てしまった主人公は気を失う。目覚めたとき、時間は物語の始まりの日に戻っていた。そしてまたいつもの日常が始まる。一緒に箱探しをした少女の存在が消えた世界で…

謎の少女"屍(かばね)"

ジャンルとしてはループもの。複雑な分岐は一切なくシナリオのルートは一本のみ。都度挿入される行動個所の選択肢(教室、校庭、屋上など)を選びながら物語を進めていく。適切なフラグ回収をすることで物語は次のループへと進んでいく。

 

感想

・先が気になり進める手が止まらないストーリー

スタートから穏やかな日常パートが流れ普通の学園もののような話が展開されるが、その中でも注意して聴くと違和感を感じる部分が至る所に散りばめられていており、そういった部分が気になりだして序盤から物語に引き込まれた。そして毎回ループする前にシリアスなパートに入り何か大きな事件が起きるのだが、日常パートとのメリハリが利いているのもショッキングな展開を際立たせていて良かった。

一回のループ(チャプター)は1時間ほどで終わり、かつチャプター毎にどんどん新たな謎が提示されていくのでとにかく先が気になりサクサク進められた。ループごとに関わるヒロインキャラクターが変わるので同じ展開を何度も見る事がなく、最後までダレることがなかった。
・ミステリ要素

推理ゲームと言う訳ではないのだが、謎が謎を呼ぶストーリーを考察するのが面白い。

この作品に出てくる謎は大きく分けて2つある。1つは主人公視点で見られる謎、つまり屍と黒い箱の正体。もう1つはプレイヤー視点でのみ認識できるもっと大きな謎、つまり変化しながらループする世界の謎である。

主人公はループを認識できていない為、屍と黒い箱に振り回され謎に苦しみながらループを繰り返すが、プレイヤーはループする度に少しずつ変わる世界の変化や屍の言動によって少しずつ謎のヒントを得られるようになっている。ヒントを集めながら色々と真相を推理するのが楽しかった。

最後のチャプターで行われる謎の答え合わせについては実際当たってたのは4割くらいだったが、解らなかった部分も物語を思い出してみれば至る所に伏線は張り巡らされていたので辻褄があっていく瞬間は鳥肌もので気持ち良かった。

・印象的なエンディング

ネタバレを避ける書き方になると表現するのは苦しいが、いわゆる"泣きゲー"アドベンチャーゲームでしばしば見られる定番の悲劇が主人公を襲うのだが、それに対して主人公が最後に出した答えが他の多くのゲームに対するアンチテーゼとなっているところも良かった。美しい終わり方だと思う。

・テンションが違い浮いてしまってるHシーン

シーン開始とともに訪れる突然のキャラ崩壊。ギャグシーン始まったのか!?と思ってしまうほど。シリアスシーンの後だと凄まじい落差を感じるので流石にもうちょい何とかならなかったのかなあと思う。これももしかしたら何かの伏線なのかもしれない…と少しだけ思ってたがそんな事は全く無かった。

・トラウマシーン

ゲーム中盤のとあるシーンで昔のホラー系フラッシュのようなトラウマ演出が挟まれる。心臓に悪いからこういうのはマジでやめろ!!

 

総評

一瞬で引き込まれ、最後まで心を離されず、そして全てを纏め上げるラスト。とてもいい構成のゲームだった。ストーリー面においては今年プレイした中でもNo1の作品。

だけどあのトラウマシーンだけはマジで勘弁。絶対に許さねえ。

 

3位.ポケットモンスター ウルトラサン(3DS / 2017年発売)

www.pokemon.co.jp

ゲーム紹介

ポケモン第七世代。

四つの島で構成された南国アローラ地方が舞台。アローラ地方に引っ越してきた主人公が、子供が一人前に成長するために行われている"島めぐり"という伝統的な儀式に挑戦し、様々な人やポケモンと出会いながらアローラ地方を巡っていく。

これまでのシリーズよりも登場する組織が多いのが特徴で、各島で悪行を繰り返すスカル団、傷ついたポケモンを保護するエーテル財団、素顔も目的も謎に包まれたウルトラ調査隊*2などがストーリーに複雑に絡んでくる。

アローラ地方にはこれまでのポケモンで定番だったポケモンジムが存在しない。代わりに島めぐりを進める為の課題として島ごとに幾つか存在する試練に挑戦することになる。試練の内容はミニゲームに挑戦したり、トレーナーとのポケモンバトルに勝ったり、ぬしポケモンと呼ばれる巨大なポケモンに実力を認めさせたりと色々。最終的には全ての試練をクリアした後、しまキング・しまクイーンというその島で最強のトレーナーに勝つことで次の島に進むことができる。

またもう一つ過去作と大きく違うのはフィールド技の廃止。そらをとぶなみのりといった技をフィールドで使うことができなくなった。その代わりにストーリーを進めていく間にライドポケモンと呼ばれる移動専用のポケモンをいつでも呼び出すことができるようになる。例えばケンタロスを呼びだして乗れば高速で移動しながら"いわくだき"なしで道の上の岩を壊すことができ、ラプラスを呼べば海上を"なみのり"なしで進むことができる。

この他にもZクリスタルというアイテムを持たせることでバトル中に一度だけ使える強力なZワザ、野生ポケモンとの戦闘中に新たにポケモンが出てくる乱入バトル、4人のトレーナーが同時にポケモンを出し合い対戦するバトルロイヤルなど、新たな要素が沢山増えた。

 

感想

・これまでのシリーズとは一味違う新鮮で面白いストーリー

本作のイベント数はBWシリーズ以上で、ストーリーのボリュームはシリーズで1番だろう。これまでのフォーマットを大きく崩した本作は登場するトレーナーキャラクターも独特であり、共に旅立つライバルだが無欲でどこか頼りないハウ、ポケモンバトルに否定的なヒロインのリーリエ、優しい心を持ちながら訳あってスカル団の用心棒をしているグラジオなど、今までに居なかったようなタイプのキャラクターが多い。未熟な面を持った彼らの成長が描かれているストーリー展開は秀逸で、様々な経験を重ねてそれぞれが決意を新たにするシーンは見どころ。更に後半は色々な組織の思惑が入り混じった予想できない意外な展開が続き、最後まで楽しかった。

一番印象に残っているのは伝説のポケモンの登場シーン。これも今までにない驚きの登場の仕方でめちゃくちゃ格好良かった。

大きな不満点を挙げるとするなら、物語の黒幕と言える人物の行動理念が腑に落ちないというか意味不明だった所か。これまでのシリーズのボスたちと違い毅然たる悪役という感じではなく、ただ厄介な行為をしているだけで強敵という感じがしなかった。

・システム変更で快適に

一番良かったのは前述したライドポケモン。これにより本作では攻略の為に特定の技を覚えたポケモンを手持ちに入れておく必要がなくなり、旅パーティの構成に自由度が増えた。

他にもこれまでのシリーズで地味に不便だった要素が数多く改善されていた。下画面で周辺のマップが常に表示できて次の目的地も分かりやすく示してくれたり、ポケモン努力値がステータス画面で一目でわかるようになったり、バトル中に下画面からお互いのポケモンの能力変化や状態変化を確認できたり、攻撃技を選ぶ際にその技が相手ポケモンのタイプに対して有効かどうかの情報が表示されたり…などなど。本作に限った事ではないが、ポケモンは新作の度にこういった細かい改善を重ねて遊びやすくしてくれるのが嬉しい。

 

総評

粗もあるが驚きと感動のあるストーリーと、より自由で快適になったシステムが特徴の良作。XYで簡単になりすぎた難易度も適度に調整されていて良かった。

ポケモンシリーズのこれまでのフォーマット化されていたものを崩した意欲的な作品だが、次回作の剣盾が元の路線に戻った所を見ると否定的な意見が多かったのかなあと思うが、本編でもたまにはこういう作品が出て欲しい。

と言ってもポケモンでストーリードリブンをやろうと思うと名無し無口系主人公作品って所がどうしても足を引っ張るだろうし、これ以上は厳しいか。本作でも奮闘する周りのキャラクター達と喋らず受動的な主人公との対比が際立つ場面が多かったしな…。

殿堂入りパーティ



4位.Monkeys!¡(Windows(R18) / 2021年発売)

harukaze-soft.com

ゲーム紹介

女子校潜入モノのラブコメADV。

男子校に通う主人公は定員割れで廃校の危機に陥った母校を救うため、近くのお嬢様学校との合併を決意する。男子に拒否反応を示す女子たちの考えを変える為、主人公は女装してお嬢様学校に女子として潜入し、男子のイメージアップを図っていきながらそこに通う女子達と交流を深めていく。コメディ全開のシナリオ。

イラストレーターのcake氏はエロゲ畑の人ではなく、商業漫画を描いていた経験もある人。CGはいわゆるエロゲ塗り系ではないのと、漫画のコマ割りのようなCGが多数存在するのが本作の特徴。

感想

・テンポの良い会話劇が笑える
年を重ねる毎にラノベやギャルゲで挟まれるギャグ系のノリが辛くなり、3年くらい前に抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?をプレイして途中リタイアした時に「俺はもうこういうジャンルは無理だな…」と思っていたが、このライターの文章は本当に面白かった。とにかくバカっぽい男子校サイド、やること全部滅茶苦茶な女子校サイド共に個性が強いキャラばかりで、そんなキャラ達がテンポよく繰り広げるドタバタコメディは一度ハマれば終始笑ってしまう。

また、安易に時事ネタとかパロディ、ネットミームとかに手を出さず勝負していたと思うのでそこも好感度高い。
シナリオ最終盤は一転して笑いを忘れるシリアスな展開になったが、やっぱり終始ギャグだけでは物語が中々締まらないのでそれは良いアクセントだったと思う。特に最後のメインヒロインと"とある人物"との対決は胸が熱くなった。

・女子校潜入モノとして見ると微妙

ジャンルとしては一応女子校潜入モノに入るだろうだが、主人公は女子校に通いつつも同時に男子姿で男子校にも通うという変則的なフォーマットをとっている。
その為半分は男子姿の立ち絵やCGを拝むことになる訳で、女子校潜入モノの中では邪道という見方も多いだろう。自分も事前情報からそこらへんはまあ諦めてプレイしていたのだが、主人公以外にも男性キャラは多数登場するので女子校潜入モノ特有の画面の華やかさは見られず、性別バレ防止に奔走する展開も少なくバレた後の展開もあっさりしているので、その点はやはり残念だった。ensembleのゲームのように女子校潜入モノというシチュエーションにこだわりを持ったストーリーと言う訳ではない。

 

総評

ゲームの文章で声を出して笑ったのはいつぶりかわからない。こういうノリが苦手だと思っていた自分にとってエポックメイキング的な作品になった。今後コメディシナリオを読む際はしばらく引き合いに出し続けるかもしれない。

同じライターのノラと皇女と野良猫ハートシリーズも気になってきたのでいつかプレイするかも。

 

5位.ポケモンカードGB2 GR団参上!(GB / 2001年発売)

www.pokemon.co.jp

ゲーム紹介

ポケモンカードを題材にしたポケモンカードGBの続編。なぜかバーチャルコンソールやSwitch Onlineで一切配信されていない。2023年現在ではプレミア値が付いている。

前作は8つのタイプのクラブ*3を攻略し、4人のグランドマスター*4に勝てばエンディングという原作ポケモンを踏襲したシンプルな内容だったが、本作ではGR(グレートロケット)団という悪の組織が登場。各地のクラブを占拠、グランドマスターを誘拐しカードを略奪するなど非道を尽くす彼らを倒し改心させることが物語の目的となる。

カード収録枚数は前作の約二倍の441枚と大幅アップ。ストーリーのボリュームも増加し、対戦相手のバリエーションも豊富であり、寄り道要素のゲームコーナーができたりと前作より様々な点で進化している。

 

感想

・初期環境ポケモンカードシミュレータとしての優秀さ

この頃のTCGをテーマとしたゲームと言えば、PS1のデジモンカード、GBのメダロット遊戯王シリーズなど、ルールが実際のTCGから大きく改変、簡略化されているようなゲームが多い。しかし本作は元のポケモンカードのルールがシンプルだからか、元のルールがかなり再現されている。

前作と同じで、シンプルでわかりやすく奥が深いポケモンカードの面白さをそのまま味わうことができる。ゲームボーイソフトという事もあり対戦中の演出もシンプルでテンポよく進むので快適。インタフェースについてもドット数が限られた中でアイコンを多用して文字情報を減らすなどして見やすく工夫されている。

現行ルールとは違う初期環境なので特有のガバガバさもあるがそれが良く(勿論対人となると話は違うだろうが)、トレーナーカードにドローソースやサーチ・サルベージカードが豊富なのでパワーカードや自分で考えた最強コンボをどんどん相手に叩きつけることができるのは快感。

手札30枚vs15枚という状況が起きるゲーム

CPU1人に勝つ度に10枚入りのカードパックが2つ貰えるのでカード収集も苦にならない。惜しむべきはどのキャラからどのパックが貰えるのかという事が一度勝つまで分からない点と、ゲーム内で確認できるパック毎の収録カードリストが実際に入手したカードについてしかオープンされない点あたりか。欲しい特定のカードがある場合はネット検索必須。

・クリア後に戦えるガチデッキとの対戦が楽しい

前述したとおりボリュームは前作の2倍ほどになり、ゲーム中に対戦できるデッキは7~80個程もある。その中でもクリア後の隠しエリアで戦えるカードマスター達との対戦はかなりやり応えがある。

最速2ターン目に「ともだちのわ」で60ダメージという高火力を出せるプクリンLv36デッキ、ゴースLV13やわるいラフレシアLV29の効果でトレーナーカードを完封するデッキ、わずか3エネルギーで70ダメージを無差別にぶつけてくる悪名高いサンダーLv68デッキ、ポケモン育て屋さんの効果でカメックスLV52を出し特殊能力あまごいの効果で超加速するデッキなど、紙では殿堂入り*5に指定されているカードを複数毎積んでいるような倒しがいのある強力デッキを使ってくる。クリア前は特にカード集めをせず入手したカードの中から適宜組み替えていくだけで特に詰まることなく進められたのだが、流石にこれらのデッキはそうもいかず、カードを集めて試行錯誤しながらデッキビルドしていくことになったのだが、その過程が楽しかった。

・特別ルールという名の縛りプレイの強要が辛い

前作にはなかった要素として、後半のGR団との戦いにおいては特別ルールという名の縛りプレイが課される。

特別ルールには大きく分けて二種類ある。一つは試合ルールの変更。場にポケモンを出せる数が少なかったり、特定タイプのポケモンの弱点が無くなったりする。もう一つはデッキ構築の制限。例えばピカチュウ4枚をデッキに入れなければならなかったり、逆に炎エネルギー以外のエネルギーカードを入れられなかったりする。

特に厄介なのが後者。マンネリ対策だろうが、やはり自由なデッキで戦えないストレスは溜まるし、一人一人倒すごとにデッキを作り替えないといけない煩わしさも感じる。また特定のカードを入れろという癖にそのカードをくれる訳でもない不親切な人ばかりなので、カード自体を持っていない場合そのカードを引き当てる所からやらないといけないのが大変。

 

総評

ストーリー面の楽しさはあまりないが、面白くてテンポのいいカードゲームで豊富な対戦相手と戦える良いゲーム。

ポケモンカードの知識がほぼ無かった自分がカードプールとにらめっこしながらクリア後の強力デッキと戦う為に作ったデッキを以下に載せる。エネルギーリムーブで耐えに耐えて相手のデッキ切れを狙う。エネルギーリムーブを含めたトレーナーカードはヤドンLv18のゴミあさりで使いまわす。自分のデッキ切れは夜の廃品回収で防ぐ。

ぼへまるスペシャ

悪名高いサンダーLv68デッキやプクリンLv36デッキに対して優位に戦える一方、カメックスLv40デッキに対しては相性が悪く、わるいラフレシアLv29といった致命的な弱点もある。このテンポのいいゲームの中で1勝するのに一番時間がかかるんじゃないかと思う逆張りデッキ。

 

Cランク<悪くはない>

6位. グリザイアの果実Windows(R18) / 2011年発売)

frontwing.jp

アニメ化もされたそこそこ有名なADV。三部作の一作目。

過去の事件により特殊な環境下で生きてきた主人公は、普通の学園生活を送りたいという理由でとある学園に転入する。しかしその学園に通うのは、明らかに普通ではない5人の少女たちだった。心の中に苦しみを抱えた少女たちとの触れ合いの中で、主人公と少女達は一度失った生きる希望をもう一度取り戻していく。

共通ルートは学園生活を中心にコメディ調で、個別ルートはヒロインの過去話とそのトラウマからの脱却をシリアスに描く。

実は過去2回プレイしたことがあるが、いずれも共通ルートでリタイアしていた。友人からも個別ルートに入れば面白いよという話は聞いていたのだが、どうにも共通ルートが退屈で仕方なかった。

しかし実際個別ルートに入ってみると確かにどのルートも良かった。特に良かったのは天音ルート"エンジェリック・ハウル"。バス転落事故というシチュエーションで、最初はぎこちないながらも協力して助かろうとしていた女学生たちが次第に追い詰められていき、やがて狂気に走るまでの過程が丁寧に描かれていて面白かった。

一方、謎が多い主人公についてはその過去も殆ど明かされず、発言も少々ムカつく物が多くてあまり好きになれなかった。この辺りについては次作でまた評価が変わってくる。

一番好きなキャラクターはヒロインじゃなくて姉ちゃん。

 

7位. パンドラの塔 君のもとへ帰るまでWii / 2011年発売)

www.nintendo.co.jp

アクションRPG
国を挙げた祭りの最中、巫女として歌を捧げていたヒロインは突然醜い化け物の姿に変わる呪いを受けてしまう。彼女に命を救われた過去を持つ主人公は、謎の老人から封印された地にある13の塔に棲む"主"と呼ばれる怪物の肉をヒロインに食べさせる事で呪いが解ける事を聞き、彼女を救うために13の塔を攻略する。

このゲームを象徴するのがリアルタイムで怪物化していくヒロインである。攻略中もどんどんヒロインの怪物化は進行していき、最初は顔の一部と片腕が変化するくらいだったのが、放っておくと全身が変化して人だった頃の面影が殆ど無くなってしまう。"下僕"と呼ばれる雑魚敵の肉を食べさせる事で一時的に怪物化を抑えることができるが、ヒロインを放置しすぎると完全に怪物となって即ゲームオーバーとなってしまう。

怪物化していくヒロイン

このヒロインが怪物になるシチュエーションやそのビジュアルはかなり好みだった。特に信仰している宗教の戒律から生まれてから肉食をしたことがないという設定をつけてヒロインの苦しみを跳ね上げてるのは開発者の性癖が感じられてよかった。

だんだん肉に慣れ、最後は自分から嬉々として食べるようになる過程も見もの。

町やフィールドといった物は無く、ゲーム中は主人公とヒロインの2人が住む拠点とダンジョンとの往復の繰り返しとなる。僅か13ダンジョンをクリアするだけの内容だが決してボリュームが少ない訳ではない。1つ1つのダンジョンは謎解き要素がふんだんに詰め込まれており、かつ前述したヒロインの怪物化を防ぐために攻略中も定期的に拠点に戻りつつのプレイになる為、クリアには30時間弱かかった。

拠点ではヒロインと会話したりプレゼントをしたりすることができ、その内容によってヒロインの好感度が増減し、好感度が上がると特殊なイベントが発生したり、エンディングの内容が変わるといったギャルゲー的な要素もある。エンディングのランクによって主人公やヒロインらの運命が変わるほか、最高ランクのエンディングを見ないとそもそも何故ヒロインが呪いを受けたのかという事や、主人公の出自の秘密といった物語の真相がわからないようになっている。

アクション面については主人公のメイン武器が鎖という点が独特で、攻撃に使うだけではなく、物を引き寄せたり遠くに投げたり、フックショットのように移動に使ったりと様々なアクションが楽しめる。アクションや謎解きのバリエーションは滅茶苦茶多く、塔ごとに新たな仕掛けや敵が出てくるので最後まで飽きる事なく楽しめた。しかし、鎖を使ってアクション出来るポイントがカーソルを合わせてみるまで分からなかったり、カメラアングルがキャラの位置によって切り替わる固定カメラのせいで戦闘中に予期していないタイミングで突然切り替わって困ったり、鎖を使ってターザンロープのように移動するギミックが頻出するのだが、その方向転換の操作性が劣悪だったり…などなど細かい点ではストレスを感じる要素は多数あった。
ギミック攻略はなかなか難しい反面戦闘の難易度はかなり低く、もう少し手ごたえが欲しかった。特にボスの攻撃力はやたらと低いのでやられそうになる緊張感は全く無かった。

 

8位. テイルズ オブ デスティニー ディレクターズカット (PS2 / 2008年発売)

www.bandainamcoent.co.jp

テイルズオブシリーズ2作目のリメイク。

ソーディアンという意思を持ち喋る不思議な剣に選ばれた者達の物語。主人公は偶然ソーディアンからその使い手として選ばれ、旅の途中同じようにソーディアンに選ばれた仲間たちと出会い、やがて地上の存亡をかけた戦いへと巻き込まれていく。

リメイクされた本作DC版は戦闘システムが大きく変わり、特技の使用方法がTP制*6から攻撃する度にゲージがチャージされていくチェインキャパを消費するシステムに変わった。これにより戦闘中にリソースを気にすることなく特技がガンガン使い放題となった為、回復の為に攻撃技を温存しなくてもよくなったり、長いダンジョンでボス戦の為にTP管理を考えたりというストレスが無くなってとても快適だった。
またコンボ攻撃が繋げやすくなり、かつ戦闘における重要性が上がっている。大量のコンボが繋がった時は快感で、ボスに対して100コンボくらい繋げて何もさせずに倒した時はとても気持ち良かった。
総じて戦闘面では圧倒的に前作ファンタジアよりも面白かった。

かなりボリュームのあるストーリーだったが、やはり印象に残るのはキャラクター。隠しキャラを除いてもパーティメンバーが8人もおり、また5本のソーディアン達も人間と同じように意思を持ち会話する為、パーティはかなりの大所帯である。それでも空気と呼ばれるようなキャラはおらず大量のスキットやストーリーイベントでそれぞれに見せ場が作られている。

特にリオン。彼が人気キャラだという事はだけは事前知識として何となく知っていたが、あの退場の仕方を見てそう言われている理由はわかった。薄幸のツンデレ美少年なんて皆好きだしな…。

しかしDC版で本編とは別に追加されたリオン編に関しては、リオンが退場するまでのストーリーをリオン視点で進めるという物だが、大筋が本編と同じなので一度本編をクリアした後だとほとんど同じ内容を見るだけなので進めるのが怠く、単純にリオン編で追加されたイベントを本編に入れるだけで良かったのでは?と思った。

あとラストダンジョンだけ異常に難しいのはやめて欲しい。残るはラスボスを倒してエンディング見るだけだな!とせっかく盛り上がっていたのに、クソ長い・ギミックがクソ難しい・敵がクソ強い、と三拍子揃ったクソマップをぶつけられるなど最悪。ラスボスに辿り着く前に気持ちが冷めてしまった。FF3の事思い出したわ。

 

9位. ポケットモンスター ブラック2 (DS / 2012年発売)

www.pokemon.co.jp

去年プレイしたポケモンブラックの続編。

時系列的には前作の2年後となり主人公とライバルは一新したが、その他の登場人物や地方、登場ポケモンなどはほぼ変わっておらず、ストーリーだけ変わったマイナーチェンジ版という印象は強く新鮮味はあまり感じられなかった*7

前作に引き続き、悪の組織との戦いを通して人とポケモンとの関係性はどうあるべきかといった問題点に切り込んだポケモンらしくない重いストーリー展開。流石に前作のようにチャンピオンになる事そっちのけで伝説のポケモンとのイベントが終わったらエンディングが流れる、という事はなかったが…。

本作を遊び終えて、BWシリーズはポケモンシリーズの中でも異色のストーリーの作品であるという事を再認識した。ポケモンという生き物は今までプレイヤーにとって当たり前のようにボールの中に捕まえられる存在として描かれていたが、それを問題提起しつつも、どういう形が最適なのか?という点についてはタイトルに反して"白黒"つけずプレイヤーにその事を考えさせる事で、プレイヤーの中でポケモンという存在を再定義させその解像度を上げることに成功していると思う。

また、本作で初登場したアクロマというキャラクターはかなり好きで印象に残っている。敵組織の幹部でありながら大義名分や善と悪という概念を持っていないイレギュラーな人物で、自分の欲求至上で行動する様は気持ちが見ていて気持ちがいい。

クリア時のパーティ。

 

10位. テイルズ オブ エターニアPSP / 2005年発売)

www.bandainamcoent.co.jp

テイルズオブシリーズ3作目。

インフェリアとセレスティアという2つの異世界が隣り合った世界、インフェリアに住む主人公がセレスティアからやってきたという少女と出会う所から物語は始まる。主人公は肌の色も違い言葉も通じないその少女から2つの世界を衝突させようと企む者がいる事を伝えられ、民族間の偏見や対立を越え、2つの世界を股にかけて世界を救う為に奔走する。

これまでの2作品に比べて主人公達は精神的に幼い面が強調されており、彼らの抱える問題の解決と成長が展開の主軸になっているあたりはテイルズらしい。相変わらずキャラクターはよく立っているし、ストーリー展開的に退屈はしなかったが、前作デスティニーのような大きな盛り上がり所がある訳でもなく特にどこが面白かったという事もない話だった。

戦闘システムはファンタジアクロスエディションとほぼ同じでこちらもハードモードでクリアしたが、あちらと違って理不尽さは感じなかったのでバランス点においてはこちらの方がよっぽど良いと思った。

総じて欠点は無いが、何かあえて書きたいほど優れた点がある訳でもない作品。

 

11位. ミスティックアーク (SFC / 1995年発売)

www.jp.square-enix.com

独特な世界観のファンタジーRPG

素性不明の主人公が無人島で目覚める所から物語は始まる。女神と名乗る声の導きに従い無人島にただ一つある神殿から7つの異世界へ旅立ち、主人公が本来居るべき世界へ戻る為に必要な7つの「アーク」と呼ばれる力を集めていく。

7つの世界はどれもがちょっと変で、「砂漠の上で猫の海賊同士が戦争をしている世界」「音や色、時間が存在しない世界」「シンデレラやオズの魔法使い赤ずきんなどといった多くの童話が滅茶苦茶に入り混じった世界」など、設定も登場する人物もかなり個性的で楽しい。その一方で主人公や途中でパーティに入れられる仲間キャラはオープニングからエンディングまで一言もしゃべらないのが寂しい。ただ、ホラーがテーマの「闇の世界」においてはそれが恐怖をより引き立てる演出にもなっていたように感じる。

基本システムはオーソドックスなコマンド選択式RPGなのだが、様々なオブジェクトを調べることで画面が切り替わり、謎解きアドベンチャーのようなモードになるのが面白い。また寄り道要素にも力が入れられており、ナイト・ツアー、魔法陣、スライドパズルなど多数のミニゲームが用意されていて、息抜きに丁度良かった。

アドベンチャーモード

一方、戦闘は初期のドラクエ以下と言っていい程シンプルな殴り合い。レベル上げも必要なく最後まで補助呪文をかけた物理攻撃中心でクリアできた。難易度も低くあまり面白くない。

あとインタフェースが古臭いドラクエライクで快適性は低い。SFCも末期に近い時期のゲームで、この時代のゲームと言えば大抵インタフェースが洗練されてきて使いやすくなっているものだが、もしかしてエニックスから開発会社への発注でもあったのだろうか。

 

12位. THE 裁判員 〜1つの真実、6つの答え〜 (DS / 2009年発売)

www.d3p.co.jp

裁判員制度をテーマにしたアドベンチャーゲーム

幽霊となった主人公が、自分を殺した通り魔が裁判で無罪となった事をきっかけとして、ヤマヤマ4号という謎の妖精(?)の力を借りながら間違った裁判を無くすために様々な裁判の裁判員に憑依して正しい判決に導く、といった感じの話。全五話構成。

裁判員制度で正しい判決の為に奔走するゲームでありながら、途中裁判員制度自体に疑問を投げかけたり、ひいては裁判という物自体に疑問を投げかける場面もあるテーマ性の強い作品という側面もある。

裁判員裁判をテーマにしたゲームとしては「有罪×無罪*8」があるが、あちらは真相を探る推理要素がメインだった。それに対してこちらは裁判開始時にヤマヤマ4号の力で被告人が黒か白かは判っており、推理をするのではなく評議で裁判員と裁判官に対して適切な話題を投げかけて説得するという内容になっている。

評議のシステムとしては、法廷パートで入手した情報の中から有用そうな情報を選んで裁判官1人1人にぶつけて説得ゲージを上げるというものになっているが、説得力のある情報にはヒントメッセージが出てるのでわかりやすく、難易度も高くないのでクリアに困る事は無く正直つまらない。

裁判官を説得してゲージを溜めていく

選んだ裁判員に説得材料をぶつける

評価したいのはシステム面よりもストーリー面。

5つのエピソードを通しながら主人公の悔いを消していくという流れなのだが、最終話は主人公の死の真相やヤマヤマ4号の正体と言った謎が明らかになり、かなりの盛り上がりを見せるものの、その事件の決着はどこか悲しくてエンディングで成仏を迎える主人公の運命と共にどこかやりきれない思いを抱いたままプレイを終えた。終わった後にその後について色々と考えてしまうような、非常に余韻の残し方が上手いゲームであった。

 

13位. ポケットモンスター シールド (Switch / 2019年発売)

www.pokemon.co.jp

ハードが変わってこれまた大きく印象が変わったポケモン第八世代。

ストーリーはこれまでのシリーズと比べてもかなりシンプルになった。これまでのシリーズで定番だったストーリー中に悪の組織と戦うという部分はほぼ無くなり*9、8つのジムを攻略してチャンピオンになるという事に目的は首尾一貫する。だからと言ってボリュームが減ったという印象は無く、その分チャンピオンとの交流が増えたり、ジムリーダーにもより強いキャラクター付けがされてイベントが増え、ストーリー最後には再戦の機会も設けられているなど、これまで薄かった要素が深堀りされている。まあ個人的にはウルトラサンのようなストーリーの方が好きなのは間違いないが…。

ポケモンのグラフィックはポケモンスタジアムのようなよりリアルな路線に変わったが、正直3DS時代の方が好みだった。ポケモンによってはイラストとの印象がかなり違って違和感を覚える。

新たな要素であるダイマックスはHPと技が強化される代わりに3ターンという時間制限があり、相手のダイマックスターンをどう凌ぐか、こちらのダイマックスをいつ切るのかという事を考えながら戦うのが楽しかった。メガシンカと違い全ポケモンに使用できるという点も良かった。もっとも自分のパーティではカマスジョー専用になっていたが。

 

その一方で一部のポケモンや技、メガシンカやZ技というシステムがリストラされたが、前作の時点で既に色々と複雑になりすぎているような感じはしていたし、シリーズのマンネリを無くす意味でも必要な事だと思うので個人的にはあまり不満はない。

微妙だったのがワイルドエリア。作中序盤で訪れることができる広めのオープンワールドライクなエリアなのだが、初見での探索こそ多種多様なポケモンとの出会いやダイマックスポケモンとのレイドバトル、有用なわざレコードなどを売ってくれるショップなどを探すのが楽しかったが、レイドバトルで強力なダイマックスポケモンを倒すためにはCPUでは力不足*10でそれ用のポケモンを育成しなくてはならなかったり、ショップを利用するためには専用通貨を集める為のマラソンをしなくてはならなかったりと色々と面倒くさい。あと折角欲しいポケモンを見つけてもバッジ数による捕獲制限でストーリーを進めるまで手に入らないシステムだったのはがっかりした。

後はエンカウントのシステムが気に入らない。ポケモンは他のRPGと違って野生のモンスターを捕まえるという要素がある為、特定のモンスターを狙って雑魚戦闘をするという事が多い。なのでエンカウントをコントロールしやすいシンボルエンカウントの導入はかなり嬉しいが、その一方でランダムエンカウントも廃止されていないので、目的ポケモンのシンボル発見→近づく途中でランダムエンカウント発生という事が多々あった。この問題はランダムエンカウントのみを抑制する仕様となったむしよけスプレーを使えば解決できるが、この仕様はこの仕様で問題がある。本作のマップはワイルドエリアを除けばかなり細い道路が多く、シンボルエンカウントを完全に回避することが難しい。なのでこれまではスプレーを使う事で簡単にできたエンカウントの完全回避がこの仕様変更でほぼ不可能となってしまった。他にも海上サメハダーなど、エンカウント周りでストレスが溜まることが多かった。

 

13位. テイルズ オブ ファンタジア クロスエディション (PSP / 2010年発売)

tales-ch.jp

PSPテイルズオブファンタジアに新要素を追加した作品。厳密に言えば独立した作品ではなくテイルズオブファンタジア なりきりダンジョンXという作品の中に収録されている。

何となく明るそうな見た目に反してストーリーはシリアスで、特に序盤は主人公達に降りかかる災難の重さに少し面食らってしまった。故郷の村を滅ぼされたことをきっかけに人類の脅威である魔王を倒す旅に出るというシンプルな流れながらも、過去や未来へタイムトラベルしながら魔王を追う展開や、魔王を倒して終わったと思いきやまだ続く展開など、単純なよくある話という訳でもない。

まあぶっちゃけそれ程面白い話では無かったが、代わりにキャラクターの事は印象に残っている。ストーリー中もキャラクターの内面に触れるイベントが多く、また本筋とは別にパーティメンバー同士の様々な会話が楽しめるスキット機能*11などもあって自然とキャラクターに親しみを覚えられるような作りになっていた。

戦闘に関してはハードモードで全編クリアしたのだがとにかく難しかった印象。2Dフィールドを縦横に動くアクション要素の強い戦闘に慣れていなかったせいもあると思うが敵の攻撃がやたら激しく、HPが最大であろうと前後に挟まれでもしたら一瞬でやられてしまう。特に大変だったのは中盤のイシュラント戦。敵が使うファイアストームという術の攻撃範囲と攻撃力が凄まじく2発撃たれるとどうあがいても全滅、かつ直前のセーブポイントでセーブしたが最後、こいつを倒すまでレベル上げや買い物もできないという状況で何度やり直しになったかわからない。逆に終盤こちらがファイアストームを覚えてしまうと、仲間をこれを連発する設定にしているだけで耐性を持つ敵以外は楽にクリアできるというのはバランスが悪くないか。

 

15位. テニスの王子様 カードハンター (PS2 / 2007年発売)

テニプリTCGデジタルゲーム化作品。

かつてそれなりに長い間商品展開されていたことは知っていたのにリアルでプレイしていた経験のある人をこれまで1人も見たことがない、自分にとっての謎TCGだった作品。事前知識0の状態でプレイ。

テニプリTCGの超ざっくりルール紹介

事前準備

プレイヤーは40枚のカードで構成されたデッキを用意。

勝利条件

4ポイントを先取する。

基本的な対戦の流れ

以下の流れを自分か相手が勝利条件を満たすまで繰り返す。

 

1.自分のデッキの中から任意のキャラクターカードを1枚選んで場(コート)に置き、シャッフルしたデッキから手札を引いてゲーム開始。

ターン開始時にターンプレイヤーはデッキからカードを引く。

2.ターンプレイヤーはボールを打つためのストロークカードを1枚手札から選び、場に出す。キャラクターカードに記載されたパワー値と、ストロークカードに記載されたパワーの合計値をボールの威力とする。
3.ターンを移行する。次のターンプレイヤーはボールの威力が前のターン以上となるようにストロークカードを出さなければならない。
4.上記3.を、どちらかのプレイヤーが出せなくなるまで繰り返す。
5.ストロークカードを出せなくなった場合は、相手に1ポイント。ボールの威力を0に戻して再び2.に戻る。

カードの種類

<キャラクターカード>

場に1枚だけ出せる。4つの能力と、特殊効果が記載されている。

パワー(左上):ボールの威力を決定するための値。

レーニング(右上):後述するトレーニングカードを付ける為の値。

スタミナ(左下):初期手札の枚数。またこの数の2倍が手札上限枚数となる。

スピード(右下):ターン開始時にデッキからカードを引ける枚数。

ストロークカード>

球種とパワーと特殊効果が記載されている。

ラリーの1球目専用のサーブのカード、パワーは高いが特定の球種しか打ち返せないスマッシュカード、パワーは弱いがハンデスやドローなどの強力な特殊効果が付いているドロップカード、パワーと効果のバランスが取れたグラウンドストロークカードなどが存在する。

<トレーニングカード>

自分のターンに1枚ずつキャラクターカードにつけて出すことができ、能力を強化したりする遊戯王の装備カードに近いカード。複数枚出せるが、右上に必要トレーニング値が書かれており、”トレーニングカードの必要トレーニング値の合計≦キャラクターカードのトレーニング値”となるようにしか出せない。

<リアクションカード>

自分のターンに場に1枚だけ伏せて出すことができ、条件が揃った時に発動できる遊戯王の罠カードに近いカード。

<シーンカード>

自分のターン終了前のフェイズに1枚だけ使える様々な効果を持ったカード。

ストーリーは無いに等しく、ひたすら対戦相手を選択して規定数勝ったら次のステージに行くというだけの流れが最後まで続くというカードゲーム要素に全振りのゲームとなっている。テニプリのゲームと言えばキャラクターとのコミュニケーションを楽しむアドベンチャー要素が強めなイメージだったので少し驚いた。一応ゲーム開始時にチュートリアルとして青学or氷帝or立海を選択して部員たちの手ほどきを受けながらカードゲームを学ぶイベントもあるが、イベントらしいイベントがこれだけしかないのは流石に寂しい。しかしキャラクターは50人以上登場し、対戦デッキが豊富なのは評価できる。

ここからはTCG要素の問題点。テニスのラリーという要素が上手くシステムに取り入れられており、また開発がコナミという事で遊戯王で培ったと思われる駆け引き要素もあり、中々面白いルールとなっている。最大の欠点は1試合にかかる時間。ゲームシステム的に1ターンに引けるカード枚数が多い関係上1ターンのプレイに大体1分はかかり、1ラリーが終わってポイントが入るまでに4~5ターン以上はかかるので1試合に30分以上は普通にかかる。それだけでも大変だが、更なる問題点として1試合ごとに貰えるゲーム内通貨がギリギリ1パック買えるか買えないか程度しかないので、カード集めがとてつもなく面倒。最終的にカード集めはあまりせず初期デッキのアップデート版のようなデッキでクリアしたので、デッキ構築の楽しみはあまり味わえなかった。

まあ一日にずーっとやってると苦しくなるが、1,2試合くらいなら楽しく遊べるゲームだと思う。

 

16位. 真愛の百合は赤く染まる (Windows(R18)/ 2019年発売)

bug-system.com

狂気をテーマにした百合ADV。

序盤はヒロインと主人公が関係を深めていく普通の学園百合ゲーといった展開であまり面白いとは思わなかったが、時折挟まれる何者かによる不穏なモノローグ、そして次第に明るみになっていくヒロインの異常性など、次第に物語が少しずつおかしな方向に進んでいく部分はホラーテイストも入ってきて面白かった。
ルート分岐をしてからはほぼ猟奇的でバイオレンスなシーンがメインとなってしまっており、シナリオ的な面白さは無くなってしまったので残念。しかしバッドエンドばかりで終わらせるのではなく、どうやったら修正不可能な異常性を持ったヒロインと自分も周りも含めて一緒に幸せになることができるかという問題に対して主人公がトゥルーエンドで取った選択はこの手のゲームでは中々見られない展開で非常に良かったので印象に残っている。
個人的には百合シーンも猟奇的シーンも特に性癖には合わなかったので優子の強姦シーンしか使えなかったが、そのシーンはかなーり良かった。

好きなキャラ、優子。ルートによっては主人公を差し置いて出ずっぱりとなる。
とても重要な秘密を抱えている。

 

17位. 金色のガッシュベル!! ザ・カードバトル for GBAGBA / 2005年発売)

ガッシュTCGデジタルゲーム化作品。

ストーリーはガッシュがカード片手に街中のキャラクター達と次々に対戦していくだけというあってないようなもの。

ガッシュTCGはカードゲームとしては他に類を見ない独特のルールが特徴。

ガッシュTCGの超ざっくりルール紹介

事前準備

プレイヤーは32枚のカードで構成された魔本という名のカードファイル(=デッキ)を用意。魔本には1ページに1枚のカードが入り、32枚のカード順番はプレイヤーが決める

勝利条件

・相手の魔本のページが尽きる

・相手の場及び残りの魔本のページの中に魔物カードが居ない状態になる

基本的な対戦の流れ

以下の流れを自分か相手が勝利条件を満たすまで繰り返す。

ここでの"めくる"とは、先の見開きに進む事を意味する。前には戻せない。

 

1.魔本の1ページ目から魔物カードを場に出し、魔本を1枚めくってゲームスタート。以降はその時点の見開き2ページの中からのみカードをプレイできる。

2.ターン開始時にターンプレイヤーは0~3枚自分の魔本をめくる。

3.ターンプレイヤーは自分の場の魔物に対応する攻撃術カードがある場合、宣言して使う事ができる。

4.攻撃術を受けた相手は自分の場の魔物に対応する防御術カードがある場合、宣言して使う事ができる。その場合、それぞれ「魔物の魔力値+術の魔力値」を計算し、防御側の合計魔力値が上回った場合は攻撃が無効となる。

5.攻撃に成功した場合、攻撃を受けた相手は下記のどちらかを選ぶ。

・攻撃術カードに記載されたダメージの数だけ、魔本をめくる

・自分の場の魔物1体に1ダメージ(魔物の体力は共通で2で、0になると捨て札)

6.魔本を1枚めくり、ターンプレイヤーが変わって2.に戻る。

カードの種類

<魔物カード>

魔力や特殊効果が記載されている。場に3枚まで出せる。

<術カード>

魔物が使う術のカード。魔力や特殊効果や使うことができる魔物、攻撃/防御用を表すアイコン、相手へのダメージ数などが記載されている。魔本から出さずに相手に見せて使う。

<パートナーカード>

人間のカード。対応する魔物や特殊効果が記載されている。対応する魔物カード1枚につき1枚場に出せる。

<イベントカード>

原作の出来事を切り取ったカード。攻撃/防御用を表すアイコンや特殊効果が記載されている。術とおなじく魔本から出さずに使うが、魔物の指定無く使える。

十数年前にリアルカードを少しだけプレイしていたが、あらためてプレイしてみると手札が存在せずカードの順番を固定したデッキで戦うというのは他のTCGにはないゲーム性で新鮮だった。引きというランダム要素が存在しないのでカード間のコンボを決めやすく、カードプールを眺めながらデッキを考えるのはとても楽しかった。

しかしながらゲームとしての問題が目立つ。

まず敵のAIがゴミすぎる。《月の石》*12が出ているのに毎ターン無意味に術を打ってきたり、ターン開始時に魔本に今使用できないカードしかなかったとしても魔本をめくらなかったりと、無駄としか思えないプレイングをする。カードが足りない序盤こそ負けたりしたが、後半は十数ページ差くらいで勝つようになってしまって全く手ごたえが無かった。

またストーリーがペラペラで対戦できるデッキが隠しキャラを合わせても10種類くらいしかなく、一人で遊ぶには余りにもボリューム不足。ランダム要素が先手後手の決定やコイントスで決まるカードの効果くらいしかなく同じデッキと何回やっても結果が固定化されるというカードゲーム自体の問題点とも合わさって、一瞬でやることが無くなってしまう。

それと収録カードが歯抜けだったのも残念。リアルカードをプレイしていた時は石板魔物編で、《パムーン》を使っていたがこのゲームには収録されていなかったので思い出再現もできなかった。

 

Dランク<遊べなくはないが、つまらない>

18位. ポケットモンスター Y3DS / 2013年発売)

www.pokemon.co.jp

ポケモン第六世代。

第四世代のマイナーチェンジ感が強かった第五世代とは違い、見た目も中身も大きく変わった。

ここからポケモンが3Dで描画されるようになったのだが、色の付け方や輪郭の線の付け方などがイラスト風になっていて全く違和感なく受け入れられた。戦闘中のアニメーションもバリエーションが豊富になり、見ているのも楽しくなった。

システム面でも主人公のキャラメイク、ポケモンの新タイプ追加、戦闘中にポケモンを強化できるメガシンカ、何が手に入るかわからないミラクル交換など新要素を挙げればきりがない。全部遊びつくした訳では無いが、概ね好感触だった。

しかしとても残念な点が二点。

一つはストーリー。ポケモンと言えば主人公と一緒に旅立つライバルや友達が登場するのが定番だが、本作ではそれが4人もいる。行く先々で彼らとのイベントが起きるのだがそのせいでダサい悪の組織や謎の巨大男、伝説のポケモンといったストーリーに関わる面々とのイベントが薄く、今までで一番印象に残らなかった。ポケモンリーグでチャンピオンが出てきた時に本気で誰かわからなかったのは初めてだ。

もう一つは難易度。がくしゅうそうちの仕様が変わり育成がかなり楽になったが、これを見越した調整がされていなかった為か常に相手のレベルよりもこちらのレベルの方が上がりすぎ、ほぼボタン連打でクリアできてしまった。

育成面が充実し対戦参入ハードル下がったおかげで世間の評価は上々らしいが、それをやらない自分にとってはこれまでのポケモンシリーズでも最下位かもしれない…と思った作品。

クリア時のパーティ。本体の日付はおかしいけど面倒臭くて直してない。

 

19位. ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン (Steam / 2022年発売)

www.dqx.jp

MMORPGの完全オフライン化という珍しい作品。

当然だがオンライン要素を取り払っただけではなく

・マップサイズの調整

・戦闘、育成やアイテム作成といった基礎システムはオフライン最新作の仕様に変更

・パーティメンバーとしてNPCが仲間になる

などと色々な部分での調整がされているのだが、街中には各種ギルド施設やコロシアムなどといったオンライン要素の残骸が数多く残されたままとなっているのは何故なのだろうか。これらの施設はオフライン版では何の意味もない建物となっており、街を探索していてデカい建物を見つけて期待する→何もイベントはありませんでしたーというのを何度も繰り返してとてもうんざりした。

ストーリーは故郷の大陸を滅ぼした冥界の王を倒すために、何故か五つの大陸の諸問題を解決させられるという話なのだが、別に同一の敵を追っている訳でもないし全体的に統一感が無く、短編集をつなぎ合わせて無理やり1つの作品ですと言い張っているようなチグハグ感が感じられた。物語が二転三転し結末が読めなかったプクランド大陸の願いが叶うノートの話や、過去で意固地だったエルジュが他の種族と少しずつ絆を深めて成長していく所など、部分部分では面白い所もあったのだが…。

しかしドラクエは相変わらず買い物一つするにしてもわざわざ会話を挟んで何回決定ボタンを押させるんだというくらい面倒だし、メニューは全部白黒かつ文字ばかりで見にくいし、いつまでたってもこの前時代的なインタフェースは進化させないつもりなのだろうか。ポケモンやFFを見習ってくれ。

 

20位. ドラゴンクエストI・IISFC / 1993年発売)

www.jp.square-enix.com

国民的と言われているらしいRPGの1、2作目のリメイク。

大昔にプレイし、IをクリアしてIIが難しくてクリアできなかった記憶があるのでリベンジ。相変わらずIは自力でクリアできたが、IIはちゃんとメモをしながらプレイしていたにもかかわらずハーゴン神殿で詰み、攻略サイトに頼ることとなった。いや流石にあれはわからんだろう。

ストーリーやシステムについては元がファミコンという事で今基準で考えるとかなりショボいので特に語ることはない。

 

21位. ヒカルの碁3 (GC / 2003年発売)

同名の囲碁漫画のゲーム化第3弾。

プライムビデオで何となく見たヒカルの碁*13がかなり面白かったので、それに影響されてプレイ。

アドベンチャーモードのストーリーにまず驚き。時系列としては佐為が消えてヒカルが塞ぎ込んでいる所から始まり、佐為が新たな憑依先として主人公(プレイヤー)を選んで復活し、葉瀬中→院生→プロという原作通りの流れでキャラ達と対戦していき実力を上げ、ラスボスとしてヒカルと対戦してヒカルを立ち直らせる*14という流れで終わるのだが…。

コンセプトとして原作の追体験をやりたいというのはわかるが、普通に主人公をヒカルとして原作のストーリーをそのまま体験するんじゃ駄目だったのだろうか?読者にとって衝撃的だった佐為の消失というイベントの後、直ぐに他の人に憑依して復活しました~というのは流石に導入からして無理があるのではと思う。佐為が消えた後のヒカルの後悔は一体何だったんだ。それにラストのヒカルが立ち直る原因となった一局も、佐為から受け継いだものをヒカルが自分で見つけて吹っ切れるという所が良かったのに、その相手を佐為(が憑依した主人公)がやるというのは台無しじゃないのか。原作を知らない人がやっても意味が解らないし、知っている人がやったら怒るだろう意味不明なストーリー。

また囲碁部分についてもAIの思考速度が高速である事をやたらと売りにしているが、3Dを使った演出や良い手を打つたびに長ったらしいエフェクトが出るおかげで試合のテンポは結局悪い。まぁストーリーを追いながらちゃんとした対局ができる点は良いし、初心者のための定石講座や問題集、原作ファンの為の棋譜集などがついていてるのは「りゅうおうのおしごと*15」にも見習って欲しい。

*1:未だにオープンワールドゲームとして扱う者もいるが、公式は本作の事をオープンワールドとは一言も言っていないし、自分も違うと思う。理由としては後述するリニア型のストーリー進行を採用している点が大きい。また円卓やファルムアズラ、ミケラの聖樹のように地続きでなくローディングを挟まないといけないステージが幾つもあるという点からしてそもそも完全シームレス化はされていないという所を踏まえても、オープンワールドとは言えないだろう。

*2:サン・ムーンには登場せず、ウルトラサン・ムーンにのみ登場するらしい。

*3:原作ポケモンでいう所のポケモンジム

*4:原作ポケモンでいう所の四天王

*5:バランス調整の為に多くのTCGで見られる、強力なカードに対しデッキに入れられる枚数に制限をかけるルール

*6:ドラクエのMP制と同様

*7:やり込み要素は増えたようだが、全くやっていないのでわからない。

*8:こちらはBランク相当の良作。

*9:一応黒幕は存在するが、かなり唐突に正体を現し、戦うイベントも1度だけ。

*10:2022年末時点ではオンライン野良で4人パーティを組むのがかなり大変。

*11:以降のテイルズシリーズでも採用

*12:ターン終了時に全ての魔物が受けたダメージを回復する効果を持つカード。これがあると毎ターン魔物1体につき1回、実質ノーコストで術を受けられる。

*13:残念ながら2022年末で定額見放題から外された。

*14:つまり原作で伊角がやった役を代わりに主人公がやるということ。

*15:去年の記事参照